箱根町K様邸 屋根塗装(スレート・コロニアル)
こんにちは、市川です。
屋根塗装の最新施工レポートです。
工事前の写真です。

全体的に塗膜が剥がれています。5年前に他の業者が塗替えをしたそうですが、完全に塗装不良です。原因は塗装前の高圧洗浄を簡単に済ませたか、まったくしていないか。又は、塗装するときに屋根が完全に乾いていなかったなどが考えられます。屋根の塗装の場合、雨が降った翌日など濡れている場合があるので注意が必要です。また、高圧洗浄の翌日は乾燥させるため塗装作業はできません。
【高圧洗浄】

一般的な屋根の場合、半日~1日で終わる作業ですが、塗膜状態が悪いので2日間かかりました。お客様がご自分で塗装した場合にこのような状態になることがありますが、業者の施工だということなので、本当ならその業者にやり直しをさせることもできるのではないでしょうか。こういうこともありますので、塗装工事は保証書を出せる業者に依頼することをお勧めします。
【下塗り】

完全に乾燥させてから下塗材(シーラー)を塗っていきます。既存塗膜がまったくなく、下塗りの吸い込みが激しいので下塗りをたっぷりと2回塗ります。シーラーは上塗りとの密着をよくするために重要な工程です。瓦と瓦の重ね部は刷毛で塗り、広い面をローラーで塗装します。
【縁切り部材タスペーサーの挿入】
縁切りとは、塗装後に屋根材の重ね部が塗膜でふさがってしまい、内部の湿気が正常に外部に排出されず、内部にこもった水分が雨漏りを発生させるケースが多々あります。それを防ぐ為、縁切り部材を挿入したり、塗装後にカッターなどでふさがった塗膜を切っていく作業のことです。
左の写真が塗膜がふさがった悪い状態。 右の写真は正常な状態です。

塗装後の縁切りは、業者によってやらない業者もいますし、見積書に縁切り作業の記載があっても実際しっかりやったかやっていないか確認が出来ず、とてもあいまいな作業です。
そこで、責任の明確化がはっきりする縁切り部材タスペーサーをお勧めします。
タスペーサーを重ね部の的確な個所に挿入すれば、完璧な縁切りが可能です。
【金属部分の錆止塗装】
金属面を「ケレン」サンドペーパーで全面を擦り、2液形エポキシ樹脂塗料で塗装します。通常使用する上塗り塗料には錆止め機能がありませんので、錆止塗料を塗ることが望ましく、たとえ錆びていなくても上塗り塗料との密着性を向上させるため必要な工程だと思います。雪止め金具などのがステンレス製(非鉄金属)の場合には、錆止塗料ではなく、密着性を向上させる専用プライマーを塗装します。

【中塗り】

中塗りの材料は、上塗りと同様の材料を使います。中塗りの目的は、塗膜厚を一定量確保し塗膜を長持ちさせることです。
【上塗り】

上塗りの目的は仕上がり面を美しくすることです。中塗り以上に丁寧に塗装します。
重ね部の右の方に挿入してあるタスペーサーが見えます。 重ね部にしっかりと隙間を作ることができました。これで内部に発生した結露水が正常に外部に流れていき、雨漏りの心配がなくなります。
【完成写真】

今回使用した塗料はフッ素樹脂塗料で、20年程度の耐久年数があります。初期費用は高くなりますが、ライフサイクルコストはとても安くなります。一般的な塗料では約10年サイクルでの塗替えが必要ですので、お家の新築から建替えまでの期間に2回から3回の塗装工事をすることになります。当店が使用するフッ素樹脂塗料を使用すれば、場合によって1回の塗装工事で済ますことができます。※1回目の塗替え時期や建替え時期によって1回では済まないこともあります。