裾野市M様邸 塗装工事・木部塗装(外壁・ウッドデッキ)
こんにちは、市川です。
木部塗装の最新施工レポートのご紹介です。
別荘地によくある木質系の外壁です。美しい木目を活かした日本の伝統的な工法ですが、
防火の面で問題があることから、法律によって使用できない区域もあります。
板張りの方法は、横に張るものを下見張り、縦に張るものを羽目板張りといいます。
M様のお宅は、板張りが横に張ってあるので、下見張りになります。
木部塗装での塗料選定
木材塗装には、完全に木肌を隠して塗りつぶす場合(クローズポア仕上げ)と、木目を生か
して自然の美しさを見せる場合(オープンポア、セミオープン仕上げ)があります。
クローズポア(塗膜形成タイプ) ※ウレタン樹脂やシリコン樹脂などの塗料で塗装する場合。
メリット: 比較的安価で工事が可能。ハッキリとしたキレイな色に仕上がる。豊富な色選びが可能。
デメリット:木目が見えなくなる。塗装後に塗膜が剥がれることがある。
※塗膜が剥がれる理由
直射日光が当たると、木材中の水分が蒸発しようとしますが、塗膜に妨げられて出られず、
塗膜下の水蒸気圧が高まり、塗膜を押し上げようとします。 この繰り返しによって、やがて
塗膜にクラックが生じ、剥離していきます。
オープンポア、セミオープン(浸透性タイプ) ※キシラデコールなどの木材保護塗料
メリット:木目を生かした自然な仕上がり
デメリット:塗料が高価。色あせが早い。色の選択肢が少ない。
【既存状態】
お客様がこまめに塗替えをしていたようなので、シロアリの被害や腐食も見られません。
全体的に色あせとコケが生えている程度で、今回は塗装工事のみでOKです。
腐食している場合は、木部の交換など大工工事をおこないますので、余分に費用が
かかってしまいます。
【高圧水洗浄】
高圧水洗浄で汚れやコケを完全に落としていきます。今回は、屋根塗装もありますので、
屋根を含めて汚れやコケを落とすのに1日半かかりました。
【ビニール養生】
塗装しない個所はビニールで覆い塗料で汚れないようにします。この作業を【養生】といいます。
丁寧に養生をすれば、塗装後にビニールを剥がせばサッシなどに塗料が付着せず、ほとんど
清掃をしなくてすみます。
【下地処理】
木部の劣化状態が一定でなく、それにより吸い込み違いによる色ムラが発生することがあります。
木部の吸い込みを一定にするために(色ムラを防止するため)に木材表面をサンドペーパーで
研磨しています。
素材木部の痛み具合は、方角によって違います。南面が一番劣化がはやく、次に西と東、
最後に北面です。北面は太陽が当たらない場所なので劣化は遅いですが、コケや藻が一番
発生します。
木部に浸透性の塗料を塗装する場合の注意点
【下塗り・上塗り】
十分乾燥させてから、木目に沿って塗っていきます。同様の塗料を2回塗り、吸い込みが激しい
個所は3回塗ります。写真は2回目の様子です。
インターバル(塗り重ね時間)が適切でないと「縮み」や「はく離」など塗膜性能が発揮できなくな
る恐れがあります。 今回のインターバルは 24時間以上。 下塗りは木材素地の含水率20%
以下で塗装。
【今回使用塗料】
シッケンズ木材保護塗料 セトールHLS
特徴 強い浸透性、耐摩耗性に優れる、ごく薄い塗膜を形成、防腐防カビ効果を発揮、中間光沢など
【完成写真】
お客様が濃い茶色を希望ということでしたので、エボニーという濃い色を選択しました。
キレイに仕上がったと喜んでくださいました。
【塗装前の状態】